Interview
〜就労支援所長が語る、脳卒中などの後遺症を抱えた
働く世代に病後の社会参加をする場所の提供とは何か?〜
Tshirt.stから商品の梱包作業をお願いしている、
長野県伊那市にある就労支援事業所「生活リハビリサポートいな」
の所長中村さんへインタビューをしてきました。
生活リハビリサポートいなってどんなところ?
“「働く世代への病後の社会参加」をする場所の提供”
デイケアやデイサービスなど介護保険の通所事業所は
コンビニと同じくらいの約5万ヶ所が全国にありますが、
この当事業所のような障害者就労支援施設は約1万ヶ所と、
介護保険の施設のおよそ5分の1の割合でしかありません。
30〜50代の働く世代の方が就労支援を受けて社会参加をして
いきたいと望んでいる方はまだまだ多く存在しています。
どんな作業をしているの?
事業所でのお仕事は、調理や木製品などの製作、縫製など
様々なものがあり、外部からのお仕事もあります。
上伊那で提供されるリサイクル着物生地を使って綿を入れ丁寧に
縫製し、寒いこの地域で温かく羽織れる半てんを製作しています。
出来上がった色々な形の半てんは、道の駅で販売されております。
捨てられてしまうような生地を、もう一度身近な実用品に
生まれ変わらせ、生活を豊かに送っていただくための
お手伝いを目指しています。
Tshirt.stからはTシャツはポロシャツ、パーカーなどの畳、
袋詰め作業をお願いしております。
それぞれの商品に合わせたたたみ方や袋を使い分けて梱包し、
同時に汚れがないかのチェックも行います。
品質管理の方法は?
一案件ごとにプリント工場と同じ基準と管理方法での確認を
徹底しております。
今までにクレームやトラブルはありません。
作業者さんの多くは病前はしっかり仕事をされていた方です。
職人さんなど手先が器用で、段取りもしっかりこなし、
丁寧に作業に取り組んでいます。
働く人の声
病後、家にこもっていたが、外に出て仕事をする中で
「世の中に触れることが新鮮だ」と感じているそうです。
春夏はTシャツ、秋冬は長袖パーカーなど季節によって商品が
変わるので、作業をする中で季節を感じることもあります。
日本全国のお客様からのお仕事を受け、たくさんの方の役に
立っている、そんな喜びもあるそうです。
この場所は「働きたい、役に立ちたい」という思いがある方の
社会へのステップアップとなっています。
働く場所がない世の中が障害だということ。
後遺症のある病気を乗り越え、社会参加を目指し
「再び、自分らしく働きたい」そんな利用者さんも、
仕事を依頼する会社もお互いに助け合える…
そんな社会がこれからも広がっていくことが大切だと感じました。
スタッフ:高橋